RINGO v0.9.6 (May, 2026)

1. 新たな機能


  • ハイレート BINEX, RTCM データ(>1Hz)の変換をサポート
    1Hz 以上のサンプリングレートのハイレート BINEX, RTCM データの変換をサポートしました.

  • RINEX observation ファイルにおいて,時刻系の定義をサポート
    RINEX observation ファイルの時刻系をこれまで GPST として取り扱っていましたが, “TIME OF FIRST OBS” ヘッダーに指定した時刻系に応じて処理可能となりました.異なる時刻系が指定されたファイル同士を結合する際,複数の衛星系・時刻系が含まれるようになる場合は GPST へと変換されます.
    出力に用いる時刻系を固定する場合は, “--outsystime” オプションで指定することができます.

  • “bingo” コマンドで BINEX 0x7e-00 の出力をサポート
    “bingo” コマンドで BINEX 0x7e-00 (気象データ〔気圧、気温、湿度など〕, 傾斜計データ, ひずみ計データなど) の出力に対応しました.
    新しいオプション “--outextra” を指定することで指定したファイルに出力することができます.

2. その他


  • bingo, rtcmgo コマンドで 複数のインプットファイルを同時に指定できるようになりました.
  • rtcmgo コマンドで “--fixaprdate” オプションを指定すると, “--aprdate” で指定した日付を概略日として固定するようにしました.
    デフォルトでは, 同時に読み込まれたRTCMデータ内に navigation データが存在する場合, そちらで得られる情報を優先します. 本バージョンから, “--fixaprdate” オプションによりその挙動を変更できるようになりました.
  • RINEX ファイルを出力する際のソート方法に “--sortorder-sys” オプションを追加しました.
    “--sortorder-sys JGE” 等のようにソートする衛星の優先度を指定可能になりました.
  • viewer コマンドでハイレートデータ(>1Hz)の表示に対応しました.

3. バグ修正等


  • Navigation データを RINEX 2.xx にダウンコンバートする際, 単一衛星システムのみを含むものについてもファイルタイプが “N” と出力される不具合を修正しました.
    (本来は GLONASS のみのファイルであれば “G”, SBAS のみのファイルであれば “H” と出力すべきもの)
  • merge コマンドで Galileo navigation データを結合した際, 同一エポックに I/NAV E1b と E5b が含まれていた場合いずれかが出力されない不具合を修正しました.
  • clkcorr コマンドで 一時間ごとに分割されたファイルを結合したものに生じる可能性のある特殊な clock jump パターンを追加しました.
  • bingo, rtcmgo コマンドでインプットファイルが指定されなかった場合に panic が発生する不具合を修正しました.
  • bingo コマンドで, ドップラー値を出力する際, 観測値が存在しない場合に “0.000” と出力されていたものを “空白” が出力されるよう修正しました.
  • rtcmgo コマンドで出力値を 0.001 の桁で丸めるようにしました.
  • 内部的に定義していたうるう秒導入日の誤りを修正しました.(2017/1/1 が誤って 2016/12/31 と定義されていました)
  • 観測データが存在しないエポックはスキップするようにしました.
  • 一部の BINEX データの読み込み時の不具合を修正しました.
  • 一部の RINEX 2.xx データの読み込み時の不具合を修正しました.

RINGO v0.9.4 (March, 2025)

1. 新たな機能


  • RINEX 4.02 のサポート
    RINEX 4.02 をサポートしました. 新たに規定された navigation message type 等に対応しました.

    RINEX 4.02: https://igs.org/news/rinex-4-02/

  • International Geomagnetic Reference Field (IGRF14) のサポート
    “ioncorr” コマンドの電離層高次項補正に用いている IGRF モデルを最新の IGRF14 モデルに更新しました.この更新により,電離層高次項補正の適用可能期間が 2029-12-31 までとなります.また,モデルの更新に伴い 2020-01-01 ~ 2024-12-31 の間の結果がわずかに変化します.

    International Geomegnetic Reference Field (IGRF): https://www.ncei.noaa.gov/products/international-geomagnetic-reference-field

2. その他


  • “ioncorr” コマンドに3次項の補正オプション (-3 又は --corrion3rd) を追加しました. ただし,まだ実験的な機能です.
  • “bingo”, “rtcmgo” コマンドで RINEX4 navigation データを出力する際に "LEAP SECONDS" が自動で追加されるようになりました.
  • “bingo”, “rtcmgo” コマンドで 複数のインプットファイルを同時に指定できるようになりました.
  • “rtcmgo” コマンドで message 1045 (Galileo F/NAV ephemeris) をサポートしました.
  • “merge”, “rnxcsv” コマンド等の実行時に,RINEX観測データに概略位置が示されていない場合でも,自動で概略位置が推定されるようになりました.
  • Galileo navigation データを読み込む際に Data Sources を参照して自動的に F/NAV,I/NAVを判別され,出力される Navigation Data Type に反映されるようになりました。
  • “bingo” コマンドで binex データを処理する際に,QZSS L1C/B データに割当てられた PRN に対応しました.(J04, J05, J08, J09)
  • RTCM データ を読込む際に内部的に CRC を検査するようになりました.もし検査で誤りが検出された場合には,当該データは出力されず,警告メッセージが表示されます.

3. バグ修正等


  • “merge” コマンドで --obstypes と --inclSat を同時に指定した際,これらで指定した衛星が整合しない場合に panic が発生する不具合を修正しました.
  • RINEX2 を出力する際に,--obstypes を指定した際に AS がオンのデータの LLI が +4 されない不具合を修正しました.
  • RINEX2 observation ファイルを出力する際,receiver clock offset が空白の場合にも 0 が出力されていましたが,空白のまま出力するように修正しました.
  • “rtcmgo” コマンドで RTCM データを RINEX ファイルに変換する際,無効な値も出力されていた不具合を修正しました.
  • “rtcmgo” コマンドで Galileo navigation データを出力した際,TGD の値が秒単位となっていなかった不具合を修正しました.

RINGO v0.9.2 (September, 2024)

1. 新たな機能


  • 方位角依存仰角マスク
    新しいオプション"--elmaskf"を追加しました.一律の角度で仰角マスクを指定できるほか,方位角に依存した仰角マスクの指定も可能になりました.この際に使用するファイルは,gsilib photomask で用いるものと同様です.詳細はこちらをご覧ください.

  • ハイレートデータ (10Hz) のサポート
    これまでRINGOでは1秒間隔のデータまでしかサポートしていませんでしたが,今回の更新によりサンプリング間隔 0.1 秒 (10Hz) までのデータがサポートされました.

  • データ結合時に “--deepMerge” の挙動をデフォルトに
    RINGO v0.9.0 で追加したオプション “–deepMerge” により,同一エポックのデータ同士を結合することが可能になりましたが,今回の更新ではこの機能をデフォルト動作としました.また,同時にタイムタグが自動的にソートされるようになりました.

  • 品質チェック (QC) 時の概略位置計算の追加
    品質チェックを行う際に,RINEX観測データに概略位置が示されていない場合 (ヘッダーに “APPROX POSITION XYZ” が記載されていない場合) には自動で概略位置が計算されるようになりました.また, “--calcpos” フラグを指定すると,概略位置を強制的に計算することもできます.(ただし,あくまで概略位置のため,精度は数十メートル程度となります.)

2. その他


  • これまで設定ファイルの拡張子は “.yml” のみでしたが,どのような拡張子でも設定ファイルに指定できるようになりました.
  • BINEX 及び RTCM の RINEX2 への直接変換がサポートされました.
  • BINEX を読込む際に内部的に Checksum 及び CRC を検査するようになりました.もし検査で誤りが検出された場合には,当該データは出力されず,警告メッセージが表示されます.
  • “rnxcsv” コマンドで QC 結果が計算できなかった場合の警告メッセージの出力を減らしました.
  • データを結合した際に,結合後のデータに含まれる衛星や信号コードに応じてヘッダーの値も修正されるようになりました.
  • RTCM 10403.3 (August 19, 2022) のデータ変換をサポートしました.
  • RINEX で未定義のヘッダについては,結合元のファイルにそれが含まれていた場合も出力されなくなりました.
  • RINEX で未定義の衛星のデータについては,結合元のファイルにそれが含まれていた場合も出力されなくなりました.
  • Compact RINEX の読込みライブラリ crinex を v1.4.2 へ更新しました.これにより,異常データのチェックが追加されたほか,警告メッセージが整理されました.

3. バグ修正


  • BINEX を RINEX に変換する際にサイクルスリップフラグ (LLI=1) が出力されない不具合を修正しました.
  • RINEX2 を出力する際に,AS がオンのデータの LLI が +4 されるよう修正しました.
  • RINGO でサポートされていない衛星のデータが誤った名称で出力される不具合を修正しました.
  • GLONASS のデータの品質チェックの際に,周波数番号が不明な場合にも計算されていた不具合を修正しました.

RINGO v0.9.0 (January, 2024)

1. 新たな機能


  • 新コマンド “rnxcsv”
    新コマンド rnxcsv を追加しました. このコマンドにより RINEX 観測データファイルを csv 形式に変換することができます. さらに “--qcmode” オプションを指定することで qc 結果の出力も可能です. その際は, qc に用いる各線形結合の時系列やサイクルスリップフラグが出力されます.

  • Compact RINEX ファイル直接読込みのサポート
    Compact RINEX ファイル (“Hatanaka RINEX”) の読込みの際, 外部コマンド “CRX2RNX” のインストールが不要となりました.

  • Windows Powershell におけるワイルドカードのサポート
    Windows Powershell において, ワイルドカード ("*", “?”, “A-X” 等) を用いた複数ファイルのマッチングが可能になりました.

  • RINEX 4.01 のサポート
    RINEX 4.01 で規定された新しい信号コードをサポートしました.

  • BINEX 0x7f update (2023-08-31) のサポート
    BINEX 0x7f (2023-08-31 update) で規定された新しい信号コードをサポートしました.

  • “merge” コマンドの新オプション “--deepMerge”
    “merge” コマンドにおいて, 新オプション “--deepMerge” を追加しました. 本オプションを指定すると, ファイル結合の際にオーバーラップしている期間のデータもその分を考慮して結合し, 同エポックのデータが存在している場合は衛星・信号種別の違いも含めて結合されます.

  • 新オプション “--phaseshift”
    各コマンドにおいて, 新オプション “--phaseshift” を追加し, 指定した値だけ位相をシフトして出力できるようになりました.

  • バージョン変換時の信号種別変更機能
    バージョン変換時に用いる RINEX2 と RINEX3 以降の信号種別対応付けを設定ファイルにより変更できるようになりました.

  • 性能向上
    複数のインプットファイルの読込みや出力時の処理が高速化されました.

2. その他


  • 不明なヘッダーラベルが存在した場合に, ヘッダー情報をそのまま出力するようにしました.
  • 一部のファイル途中にデータの中断が見られるものについて, 続くタイムタグ部分から読込めるようになりました.
  • RINEX に規定されていない不明な信号種別が含まれる場合は当該データを無視するようにしました.
  • データ間隔の変更時に間引かれたデータに付与されていた LLI フラグを, 次に出力するデータに付与するようにしました. この挙動は, “--ignore-skipped-lli” オプションを指定することで無効にすることができます. また, “--seconds-keep-lli” オプションで LLI フラグを保持する秒数を指定することもできます.
  • “ANTENNA” に関するヘッダー情報に異常な数値が記録されていた場合には “[error]” 扱いとしていましたが, 元の値をそのまま出力し, “[warning]” を出力するようにしました.

3. バグ修正


  • “cal” コマンドのヘルプメッセージを修正しました.
  • “qc” コマンドにおいて, 正秒のタイムタグで始まらないファイルに対し観測エポック数が 1 だけ変わってしまう不具合を修正しました.
  • 衛星軌道情報ファイルに複数の “IONOSPHERIC CORR”, “TIME SYSTEM CORR” が含まれていた際に最初のものしか出力されない不具合を修正しました.
  • その他, いくつかの不具合を修正しました.